……この展覧会を体験することで、一つの「生命」としての自分と、言葉を話し、感情を持つ「人間」としての自分を再発見することと思います。そして今ここで、あるいは未来のどこかで、 あなたの隣にいる人への新たな視点が生まれるかもしれません。 ヒトが人になる前からの、地球に息づくパートナー探しの物語、恋愛物語展を楽しんでいただければ幸いです。…
(2005.04.23 – 2005.08.15 日本科学未来館/恋愛物語展)
入梅したはずの6月中旬、ほぼ雨の予報が無く蒸し暑い東京・お台場。今回はちょっと趣が変わって、未来の科学者を目指す少年少女が集う日本科学未来館に行って参りました。すぐ近くには船の科学館とテレコムセンターがあり、ゆりかもめで来るには便利ですが、今日は平日。ビジネス街は混んでいてもお台場は空いています。というわけで初夏のお台場に車で出発です。
昔は良く上野の国立科学博物館に連れて行って貰ったものでした。「美術」と「科学」、両者のアプローチは異なるけれども、何らかの感動やインスピレーションを受ける意味では同じです。今回の展示テーマは美術館で行うよりかは、このような体験型展示を連想させる博物館向きと言えるのかも知れません。
入口を入ってすぐチケットブースがあり、そこでチケットを買って、左手が展示スペースです。会場内はさほど広くなく、4つのブロックに分かれていました。…ちなみに、入館して気づいたのですが、未来館はカメラ撮影も一部を除いてほぼOKなようなので、カメラを持っていたら気にせず写真撮りましょう。
導入部の第一章は「恋する生命体の物語」と銘打たれています。さる映画で有名になったクマノミですが、実はどちらかの性に偏った場合は性転換する生物なのです。カタツムリも雌雄同体の生物として有名ですが、動作速度の問題で出会った時には必ず交尾するそうです。しかし貝の巻き方向が同じではないと次の相手を探す羽目に…。性が2種類ではなく数十種類もある生物なども紹介されています。
続いて第二章「恋するホモサピエンスの物語」です。何故ヒトは性別を二つに分けたのか、遺伝の仕組みはどのようになっているのかが、割とセンチメンタルに語られているのですが、内容はそれに反して結構難解です。ともかく、ヒトに限らず、生物が発生するのに大切なキーワードは減数分裂です。
第三章は「恋する人の物語」で生物がどのように求愛行動を取るのかという解説をしているのですが、内容は割とさらりとしています。
入口からも透けて見えた空間でエピローグを迎えます。ここでは様々なアプローチで、これからの恋愛とは何か?というのを模索していくという提議がなされています。それは簡単なゲームであったり読み物であったりしているのですが…。
もはや語るまでもなく、色んな人が悩んで悲しんで喜んでという恋愛。生物全体の話で考えると、ヒトの恋愛相談はまだまだ薄いと言ったところです。恋愛に科学的な理由を付けて語りたい方には強くオススメです。もちろん、恋愛がうまくいかない人にも。そして、なかなか人を呼ぶのが上手い宣伝文句で、展示自体のボリュームはさほどでもなく、科学館全体とプラネタリウム “MEGASTAR-II cosmos” を合わせて見るのが良いかもしれません。1人で来てももちろん楽しめると思いますが、私が行ったのは平日。休日、周りがカップルだらけだとどうだろう…?
#未来館の展示は、別に子供向けと言う訳ではないので大人でも理解が難しいものもあります。なんでか知らないですが妙に勉学心をくすぐられるところでした。やはり子供達に人気なのはロボットとライド系の展示でした。21世紀はロボットの時代だ!それと超伝導の実験を見るのはおすすめです。