…音楽とヴィジュアルアートは互いに密接な関係をもちながら進化してきました。20世紀の初め、作品がさまざまな感覚を呼び起こすような総合芸術をめざしたカンディンスキーや、音楽を記号的な正確さでイメージ化しようとしたクレーがその例です。聴覚と視覚を横断することで可能となる、豊かな感性の領域と表現の広がりは60年代のジョン・ケージらによってより実験的な形で検証されました。そして今、デジタル技術の発達によりイメージはピクセルに分解されて記号や数値として処理され、音もPCのディスプレイ上で視覚的に作曲されるなど、アートと音楽はその創作の過程においても近似しています。一つのコンピュータで映像、画像、音を同等に扱う世代のクリエイターたちは、より密接な「新たな共感覚」というべき総合感覚をもって、多様な表現を試みています。本展は総合アドバイザーに音楽家の坂本龍一を迎え、この二つの表現が交差、連動することで生まれてくる多様な作品の紹介を通して、「私たちの時代」における見ること、聴くことの本質的な意味を問いかけます。…
(2012.10.27 – 2013.02.03 東京都現代美術館)
…備忘録として…
・娘もだいぶ上手に美術館の雰囲気を味わえるようになってきた。