‥‥芸術作品のことを英語で、「art piece」と呼ぶことがありますが、これは作品の 物質的側面から発想された言葉であり、“もの”ではないソフトウエア上の芸術作品には、あてはまらないのではないでしょうか。そこで「piece」を「bit」というデジタルを表す単語に変えることで、物質性を持たない芸術作品を「art bit」と呼んでみることにしました。……
(2002.6.21 – 8.11 NTT/ICC アート・ビットコレクション展)
もはやメンバーシップに入っても元が取れるかもしれません。今日もまた、オペラシティにある、インターコミュニケーションセンターへ行ってきました。しかし、予定がある明日は最終日。閉館30分前に駆け込んでもロクなものが書けないと思いますが、行ったからには書いちゃいます。金曜日だけではなく、土曜日も閉館時間の延長求む!
今回展示は、リーフレットにある通り、丸いテーブルに作品が再生されている端末が置いてあるので、そのマニュアルを読んで、色々試してみるタイプでした。最初にさわった作品は、四井賢一郎氏の”sand”です。砂が流れ落ちる様をシュミレーションできるのですが…、操作が判らない!ああ、やっぱり時間が足りなかったんだこりゃ…。
と思いつつ、様々な作品の展示されているギャラリーをうろうろして、あれこれ触ってみましたが、センソリウム(sensorium)の”WebHopper”がありました。センソリウムの作品を実際に見るのはこれが初めてです。一時期、ウェブサイトが見られなかったような…?杉原聡氏の”東京ローカルウェブ景” は、実際に高層ビルから見た東京の風景と、実際に見ているビルのwebサイトを表示するという、実体と仮想の結びつけという新たなサーチエンジンの形を提供してくれています。
エイドリアン・ワード(Adrian Ward)の “autoshop” はどうでしょう。かの有名なAdobe Photoshopのインターフェイスを真似ており、写真加工をしようとしたとたん…コンピュータが勝手にイメージを加工してしまうという感じです。コラボレーション?…とは少しほど遠いですけれども。
前田ジョン氏の展示の時もそうだったのですが、いわゆる、プログラマだけではなく、アーティストもプログラミングの知識を持っていれば、今持っている感覚や才能を違った表現方法によるアートとして昇華できると思います。なにもwordやexcelのような立派なプログラムを作らなくても、何もしないけれども、あなたがアートと思うプログラムを作れば-それが例え「A」としか表示しない物であっても-それは何かしらの生命を持って、誰かに訴えかけられると思います。
そういう意味では、コンピュータというのは、絵筆にもなりカメラにもなり、ビデオカメラにもなる、ある程度の可能性を秘めたスクリーン、またはキャンバスとなるのでしょう。
なにせ30分だったので、これくらいしか覚えていないのですが、古今東西のブラウザの展示や、一風変わったブラウザもありました。なんにせよ、もっとのんびり見ていたかっただけに残念…。今回は特に短時間で申し訳ない、毎回いつもあちこちの展示に付き合ってくれ、その個性的な視点と美術の専門的な知識を教えてくれるN子に感謝!